2サイクルエンジンと4サイクルエンジン③ ~4サイクルエンジンのメリット編~

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2サイクルエンジンと4サイクルエンジン③ ~4サイクルエンジンのメリット編~

2018年01月19日

前回まで、4サイクルエンジンと2サイクルエンジンがどんなものか解説していきました。
これまでの解説をふまえると、「4サイクルエンジンの発生するエネルギーは2サイクルエンジンの2分の1だから性能的に劣っているのでは?」という意見も出てきそうですね。
しかし侮ることなかれ…
4サイクルエンジンには4サイクルエンジンのメリットがあります。

確かに出力の点では、同じエンジンの大きさなら2サイクルエンジンに劣るかもしれません。
しかし、4サイクルエンジンの構造から発生する出力特性は、エンジンの回転数に応じて徐々に出力が増えていくというフラットな特性で、低い回転域でもしっかりとした出力を得られるため、誰にでも扱いやすいという利点があります。
昔から多くの乗り物や機械に幅広く採用されてきた理由が分かりますね。

また、4サイクルエンジンにあるバルブが正確なタイミングで開閉することでシリンダーの気密を上げており、混合気の吸入や排気ガスの排出もピストンが上昇することで生じるシリンダー内部の容積変化を利用して効率よく充填・排出されるので、必要最小限の燃料で効率的に爆発燃焼させてエネルギーを発生させることが可能です。

しかも、しっかりとバルブで気密が保たれている環境下で爆発燃焼することで、混合気を限りなく完全に燃焼することができ、排気ガスに含まれている有害物質を軽減させるという点でも優れています。

エンジンオイル編でも解説しましたが、4サイクルエンジンはオイルがエンジン内部の各所を循環・洗浄する構造のため、エンジン内部を常にクリーンに保つことができ、使い方とオイルの管理次第でロングライフも実現可能です。
また、オイルを冷却媒体としても活用しているので、エンジンを開発する段階でオイルの流量や潤滑パターンを工夫すれば、エンジンにとって最適な温度を狙った領域で設定しやすく、市販されてからもユーザーの任意で使用するオイルの種類やオイルクーラーの増設など調整や管理がしやすい構造となっています。
カムシャフトがバルブを開閉させるタイミングや、バルブの開閉量をリニアに変動させることも構造上可能なので、少ない燃料で高出力という高性能なエンジンに調整することも…

参考までに、バルブの開閉を変動させる機構について。
「VVT」や「VTEC」、マイナーなところでは「MIVEC」や「バルブマチック」という仕組みがあり、これらを一括りで「可変バルブ機構」と称しており、各メーカーが独自の機構を開発してほとんどの市販車に採用しています。

【引用】http://minkara.carview.co.jp/userid/200779/blog/26035425/

これについては「ツインカムの作動理論」「複数バルブの優位性理論」「バルブタイミング理論」「カムの作用角とリフト量」などなど、とても難しい話になってしまうのでまたの機会に…

さて話を元に戻しましょう。
近年の車が4サイクルエンジンをさらに進化させ、低燃費車となり、クリーンなエコカーとして出回っている点を考えれば、その優位性を理解していただけると思います。

今回は4サイクルエンジンのメリットについて解説しました。
しかし、メリットばかりではありません。次回は4サイクルエンジンのデメリットについて解説していきたいと思います。

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