国的にもイタミ果が多かったこともあり、多くの仲卸は買い控え、12月20日頃まで厳しい販売が続きました。その後、荷動きは徐々に改善され、比較的スムーズな販売となりました。 施設愛媛果試第28号(紅まどんな)は柑橘の荷動きが鈍い中で人気は衰えを見せることはありませんでした。今年産は小玉傾向の年でしたが、品質は良く順調な販売が続きました。また契約的販売(事前販売)やJA内部の部門間連携、市場外流通の強化(単価の底上げ)を行い、生産コスト上昇分の販売価格反映につながりました。 宮内伊予柑は年明けの温州みかんの数量が少なく、例年になく比較的スムーズな荷動きとなりました。品質評価は高く、着色が進んでいた島嶼部では前進出荷傾向となりました。また今年産は果皮障害果の発生が多く、市場ではレギュラー品が品薄となり2月に入っても引き合いは強い状態のまま販売は進みました。高単価での販売が続き、末端の店舗では例年1玉98円で売るところが今年は128円が定番の単価となりました。3月に入ると弥生紅やM果を中心に引き合いは強いまま単価を下げることなく販売は終了しました。 その他中晩柑は1月に寒波が来たことで生産量の減少が心配されましたが、被害もほとんどなく苦情に関しても例年並み程度となりました。2月から3月の販売環境は物価の上昇などで厳しい状況でしたが、品質評価は良かったことから昨年以上の販売単価となりました。 キウイフルーツは年内から最終選果まで軟腐病の発生が多く、販売は苦戦することになりました。また市場到着後に軟果や腐敗果の発生が多く、市場からは棚持ちの良い果実の出荷要請があり課題を残す年になりました。 令和4年度の果実販売は、契約的販売を継続していたことや生産者による高品質生産が功を奏した販売となりました。このことを踏まえ、管内産は品質で価格形成できる産地であり、今後もブランド産地として生産量の確保は基より「消費者に届くまでの品質」を重視した生産、荷造り、販売に取り組み、農家所得の確保を最優先として有利販売に努めます。〔園芸販売課〕 <野菜> 令和4年度は3月の気温も低く春商材の筍、山菜類の出荷の遅れがありましたが、野菜全般に順調な販売が続きました。蚕豆をはじめとする豆類の出荷遅れも懸念されましたが、4月から好天に恵まれ需要期である5月の連休にピークを迎え、品質面も良好で堅調な販売で推移しました。また、昨年度から北海道産の不作で品薄高が続いていた玉葱も早生品種の出荷が始まり、品薄感が解消されたことによって相場も下げに転じましたが、7月まで例年より高い水準となりました。 6月下旬から果菜類中心の夏秋野菜も始まり7月には冬春産地の終盤がピークと重なり軟調な販売が続きましたが、お盆に向けて引き合いは強まり、9月には成り疲れと相次ぐ台風の影響を大きく受け全国的に出荷量も減少し、品薄高が続きました。 秋冬野菜は日中の気温が高く、前進出荷で重量野菜を中心に厳しい販売環境となりましたが、クリスマスの寒波で野菜全般出荷量は減少し、年末に向けた需要期も重なり一気に相場を引き上げ、年明け以降も順調な販売が続きました。 3月から気温の上昇に伴い出荷量も増加傾向となるなか、比較的荷動きは良く全体的に大きな崩れもなく販売は終了しましたが、近年の異常気象に伴い今年度も生産量の増減が激しく、比例して相場の変動も激しい年となりました。 今年度も上半期は新型コロナウイルス感染症の規制で試食宣伝販売は困難のなか、JAの野菜で売り場構成した「JAえひめ中央フェア」や全農を通じて県下JAで開催した「愛媛フェア」を実施し、売り場確保につなげました。また、令和2年度から加工業者との契約的販売を開始したサトイモ(伊予美人)の取扱量も179tと着実に伸びてきています。年明け以降から新型コロナウイルス感染症の規制緩和もみられ、量販店での対面販売も徐々に再開されており、今後は積極的な市場訪問を行い販売促進活動を含めて商談を進めていきます。そのためにも、安定供給や品質を重視した荷造り、労力軽減を目的とした出荷形態の簡素化に取り組み、農家所得の確保を最優先に有利販売に努めます。 <花卉花木> 新型コロナウイルス感染症の影響から葬祭需要は縮小が続いていますが、ブライダル需要は徐々に回復してきています。また、生活様式が変わりホームユースの需要が増加しており、生花店によるネット販売の強化や輸出により引き合いが強い状況が続きました。特に近年、短い枝物の需要が年々増加し、まつやま農林水産ブランド「グニーユーカリ」の40cm規格の販路拡大を行い、取扱数量、金額共に順調な伸びを見せました。 季節商材や物日には生産者組織や営農部と連携して出荷量の確保を行い、積極的な予約相対販売を実施し安定した価格形成につなげました。今後も出荷計画や1週間前情報を市場へ発信し、2日前販売を軸に高価格販売に13
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