JAえひめ中央レポート2025 ディスクロージャー誌
11/178

括9 ロシアのウクライナ侵攻をはじめ、世界各地で紛争や災害が発生・長期化しており、それらを起因とするエネルギーや食料などの高騰した資源価格は高止まりを続けています。また、インフレと不透明な為替相場に加え、米国の保護主義的政策がもたらす世界経済への影響といった不安定な国際情勢が続いており、国内経済の見通しは不透明な状況となっています。 こうした厳しい状況のなか、自己改革の取り組みにおいては、最終年度であった第7次中期計画に基づき、農業者の所得増大に向けて、園地での対面技術指導による品質向上、農産物の高価格販売、生産資材の価格抑制に取り組みました。また、農業生産の拡大に向けて、新規就農者確保に向けた取り組みと営農定着フォロー活動の実践、新たな研修園「東温担い手農業生産団地」の整備、農作業支援者の確保に向けた関係機関との連携強化、行政と連携した農地基盤整備を進めました。更には、肥料・農薬価格の高止まり対策として組合独自の助成措置を設け、生産コストの低減に向けて継続的に取り組むと共に、高温干ばつやカメムシ被害への支援対策などを実施しました。 地域農業と食とのつながり強化への取り組みにおいては、「1支所1ふれあい活動」の開催、食農教育活動やメディアに向けた情報公開を拡充するなど、地域農業、管内農産物及び組合事業の情報発信に取り組みました。 持続可能な経営基盤の確立への取り組みにおいては、「営農経済事業の収支均衡」に向けた営農経済事業成長・効率化プログラムの実践、組合全体での業務改善・効率化などを継続的に取り組むと共に、次期中期計画の検討を部門横断的に進めました。 組合の経営については、資源価格の高止まりと長期金利の上昇など社会・経済情勢が変動し続ける事業環境のなか、事業総利益で計画を下回る事業もありましたが、加工事業の回復や信用・直販事業の増益、事業管理費の節減などにより、20期連続で事業利益を確保することができました。 農業・地域金融機関としての機能を発揮し、JA利用者・理解者の増加及び農業所得向上と産地基盤維持につなげるべく下記の取り組みを実践しました。 調達部門では、運用資金増強のため当座性においては年金振込口座獲得「年金受取キャンペーン」、定期貯金については「果実定期」販売に取り組み、残高伸長と管内農産物紹介に努めました。また、日銀利上げにより金利に対する顧客ニーズに対応した金利上乗せ型の「合併25周年定期貯金」を販売しました。以上により総貯金残高は2,933億1,979万円(期首比99.3%、計画比98.9% ただし購買貯金26万円をのぞく)、年金口座数は21,905件(186件純増)の実績となりました。 運用部門では、ローンセンターが恒常的な業者営業による住宅ローンの安定的な獲得と農業関連融資の対応強化、支所がマイカーローンをはじめとした無担保小口ローンの獲得に努め、貸出残高1,097億6,223万円(期首比99.9%、計画比99.7% ただし購買貸越3,934万円を除く)となりました。 有価証券運用においては、日銀による政策金利引上げにより、市場金利が大幅に上昇する展開となりました。そのような中で中長期的な収益確保を目指し、残高の積み増しを積極的に行い、残高は127億3,516万円(計画比106.2%)、 収益は2億1,140万円(計画比166.3%)となりました。 資産相談業務では、組合員・利用者の経済的安定に資するため、税理士と職員による相続・不動産・税務等の相談会を開催しました。更に、経営指導員と連携して経営移譲等の相談会を開催し、相続相談27件、相続対策相談29件、不動産活用相談37件、事業承継6件、その他記帳等の相談対応を行いました。なお、確定申告支援については、記帳代行267名の対応を行うと共に、派遣税理士の指導のもと所得税申告1,356件、消費税申告195件の申告業務を行いました。 また、宅地供給事業については、宅地分譲富久12区画中8区画の販売を行い、総合的な相談業務の実践により地域の発展・活性化に努めました。【金融事業部門】●金融部⑴総⑵各事業の概況8.事業の概況(令和6年度)

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る