JAえひめ中央レポート2025 ディスクロージャー誌
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 令和6年度からは、営農アプリ「あい作」の運用を開始し、営農情報の発信・アプリを利用した生産履歴の記録とJAへの提出、営農相談の対応を行いました。 担い手育成と営農定着では、新規就農研修センターを主体として就農者創出に取り組み、管内で25名の就農者を確保し、営農定着に向けて経営指導員と営農技術員が連携して支援しました。また国の補助事業、東温市農業振興基金を活用し、米麦・野菜・イチゴ・花木の大規模経営農家育成に向けて「東温担い手農業生産団地」の整備を進めました。 労働力支援では、「農作業サポートセンター無料職業紹介所」を中心に農作業アルバイトの斡旋を行い、職員の副業や学生等の協力も得ながらスムーズな斡旋に努めました。また、愛媛県と連携し農福連携の取り組みも継続して進めました。令和6年度は新たに「愛媛お手伝いプロジェクト」の活用も開始しました。 農業生産基盤の維持に向けて、農地基盤整備による優良農地の確保の取り組みを進めており、管内7地区、樹園地52.2ha、水田15.6haの造成について事業の実施と検討が進んでおり、下難波、浅海、由良、堀江、砥部、中島、南吉井地区において工事が進んでいます。そのうち、5地区においては工事が完了した園地から苗木の定植とハウス施設の設置が進んでいます。〔果樹課〕 関係機関と連携し「JAえひめ中央果樹産地協議会」を通じ、営農支援センター・分室により地域の特性を活かし、「基幹品目」と「推進品目」の苗木を園地若返り・生産拡大に向けて積極的に推進しました。苗木推進は、「基幹品目」12,768本、「推進品目」30,956本、ヘイワード1,590本の実績となりました。 生産状況は、柑橘類1,658ha(営農振興計画対比100%)となっています。基幹品目の面積は、計画面積を下回っていますが、推進品目は作付け拡大が進んでいます(営農振興計画対比:基幹品目面積95%、推進品目面積109%)。令和6年産柑橘の生産量は、裏年傾向の中カメムシの異常発生、梅雨明け以降の異常高温乾燥による日焼け果や裂果、着色遅延等の果実品質に影響があり、出荷規格を変更し荷受対応を行いましたが大幅な減収となりました。 ヘイワードでは、かいよう病対策として耕種的防除、薬剤散布を徹底し拡散防止に取り組み、計画面積を維持することができました(営農振興計画対比:102%)。生産量は、カメムシの異常発生や異常高温乾燥により計画を大きく下回る結果となりました。園地若返りや根腐れ病対策として、シマサルナシ台木を含め苗木の導入を推進し、また新たな台木(バウンティ)の育成試験を実施しています。雄木優良系統(チーフタン)の推進を行い、190本の供給を行いました。〔農産課〕 野菜は、関係機関と連携し、営農振興計画全域推進5品目(夏秋ナス、夏秋胡瓜、夏秋ピーマン、玉葱、ブロッコリー)の生産拡大に向け推進を行い、新規・増反合わせて17名、1.1haを確保しましたが、品目によっては栽培面積が大きく減少し、5品目の面積は営農振興計画を大きく下回りました。出荷量も、面積減少や小玉傾向での出荷、夏期の異常高温の影響により生育不良や品質低下、日焼け果の発生も多く、数量確保が困難となり営農振興計画を大きく下回りました。 東部ブロック管内でスタートしたサトイモの契約販売での栽培も5年目となり、15.1ha(営農振興計画対比224.8%)の作付実績となり、栽培地域も南部ブロック・北部ブロックへ順調に拡大しています。今後、更なる面積拡大を図っていきます。 花木は、専門技術員による指導体制のもと、各地域にて推進を図り、優良系統苗の安定供給も進んだことで営農振興計画対比144%となりました。グニーユーカリの生産振興への取り組みとして、各関係機関と連携し、優良系統苗の安定供給を図るため北条育苗センターでリレー育苗にも取り組み、現地では株枯れ対策試験を継続しています。また、今後に向けて、有望品目・品種の試験栽培も行っています。 麦は、収穫時期に雨が多かったことで品質低下を招き屑麦率が高く、収量は722t(営農振興計画対比79.5%)となりました。 米は、平野部のみならず山間部でも高温障害とみられる被害粒が多くみられ、作柄は平年並みからやや少ない状況となりました。米の高騰を受け、業者による直接買い付けや個人間販売も増えたことで出荷実績数量は、1,521t(営農振興計画対比82%)と出荷率は低下しました。各施設で荷受した高温耐性品種が1等だったことで、1等比率は29.6%(前年26.7%)となりました。農家所得の向上に向けた玄米の直接販売は、関係部署と連携し継続して取り組みました。  畜産では、全国的に鳥インフルエンザが多く発生し、県内でも発生が見られたが関係機関と協力し畜舎消毒の徹底等注意喚起を図り、発生防止に取り組んだことで管内での家畜伝染病の発生はありませんでした。また、飼11

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