JAえひめ中央レポート2025 ディスクロージャー誌
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らスタートした極早生から全体的に市場への入荷量は少なく販売環境は良好となりました。全国的に生産量が減少傾向のため、近年、量販店においては、糖度の低い極早生レギュラー品を積極的に販売しない傾向が見られましたが、今年産は数量が少ないため引合いは強く順調な販売となりました。早生温州以降も全国的に出荷量が少なかったことにより、高値を維持したまま最終までスムーズな販売展開となりました。管内も裏年と気象災害の影響により、出荷量は計画を大きく下回りました。年明けには他産地の青島温州やデコポンも異常気象の影響により、全国の市場への流通量も少なく比較的スムーズな販売となりました。 施設愛媛果試第28号(紅まどんな)の人気はいまだに上昇傾向にあり、今年産は下等級品の多い年であったため終始引合いの強い販売が続きました。また、契約的販売(事前販売)やJA内部の部門間連携、市場外流通の強化(単価の底上げ)を行い、生産コスト上昇分に対する価格反映につながりました。 宮内伊予柑は年明けの温州みかんの数量が少なく、例年になく比較的スムーズな荷動きとなりました。裏年と気象災害のため生産量は減少し、大玉傾向となりましたが、品質や食味評価が高かったことと事前に商談を行うことで、2月後半のレギュラー品からM果・弥生紅へとスムーズに売場が切り替わり、最終まで安定した販売となりました。末端の店舗では、昨年1玉138円で売るところが今年は158円が定番の単価となりました。 その他柑橘も含め全体的に今年産は裏年と気象災害の影響により、生産量は大幅な減少となりましたが、全国的にも出荷量が少なかったことで前年を上回る価格で推移しました。しかし、2月下旬以降の相場も高値が続き荷動きは鈍化傾向となりました。 キウイフルーツは年内から最終選果まで軟腐病の発生が多く、販売は苦戦することになりました。また市場到着後に軟果や腐敗果の発生が多く、市場からは棚持ちの良い果実の出荷要請があり、次年度への課題を残す年になりました。 令和6年度の果実販売は、契約的販売を継続していたことや生産者による高品質生産が功を奏した販売となりました。このことを踏まえ、管内産は品質で価格形成できる産地であり、今後もブランド産地として生産量の確保は基より「消費者に届くまでの品質」を重視した生産、荷造り、販売に取り組み、農家所得の確保を最優先として有利販売に努めます。〔園芸販売課〕 <野菜> 暖冬の影響で前進出荷が続いていましたが、春先には低温により出荷が遅れはじめたことで品薄高となりました。物流2024年問題も本格化し、市場集約や便数の減少も市場流通に大きく影響しました。春商材の蚕豆については天候の影響で大きな出荷ピークはなく、樹勢も弱かったことから早い切り上がりとなりました。季節商材の梅は3月の低温が響き全国的な凶作年となり近年では最も少ない出荷量となりました。5月の連休前後には人の動きが活発化し消費が増大しましたが、産地の切り替わり時期となるタイミングで気温等の影響から後続産地のスタートが後ろにずれ、相場が高騰する品目も見られました。6月には梅雨入りし天候が乱れる日も多いなか、果菜類を中心とした夏秋野菜は増加していきましたが、相場高が続いていたことから発注が伸びない状況で、消費の促進とは至らず軟調な販売となりました。7月には夏秋野菜が本番に差し掛かり量販店は特売を組むなどし、荷動きは改善され引合いは強まりましたが、猛暑続きにより草勢低下や生育不良が見られ、品質面においても下等級比率が高まり、盆周辺には再び品薄高となりました。秋口も残暑が続いた影響で抑制物は生育不良で出荷が遅れる品目が多く、相場は続伸しました。11月には季節外れの台風の発生が頻繁するなど、野菜全般不安定な出荷が続き年内は相場高が続きました。年明け以降も本格的な寒さから品薄高は続きましたが、量販店の売価は高く、末端の荷動きは鈍い状況でした。3月に入ると気温が上昇したことで出遅れていた冬春品目は増加し、相場は落ち着いた状況とりました。 不安定な海外情勢や円安の影響もあり資材コストは高止まり、異常気象も常態化しているなど生産面では非常に厳しい状況が続いていますが、販売面では継続した販売促進活動の実施や出荷規格の見直し、下等級品の販売強化、企画販売・契約的販売の拡大に努め、出荷量確保と生産者の所得安定・向上を念頭に販売を進めます。 <花卉花木> コロナ禍の終息により家庭の巣ごもり需要は落ち着きましたが、イベントや生け花などの装飾需要が高まり、季節感を演出できる商材として人気が出ています。また、家族葬の増加や家庭で切らずにそのまま飾ることが出来る花束やブーケがホームセンターやスーパーの売り場に並び、ホームユースやサブスク(定期購入)など花卉花木の楽しみ方は年々多様化しています。今年度は猛暑が続き、切り花や実物類の花木の生育に影響があり、出荷量は減少となりましたが、まつやま農林水産物ブランド「グニーユーカリ」を中心に短い規格の取扱いや消費者ニーズに合わせた品種を模索しながら販売を進め、生産者の所得向上に努めました。輸送費や資材費のコスト13

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